「裏金事件の解明」「能登地震近くの原発の廃炉」「ガザ難民支援の再開」をもとめる提案がすべて否決

2024年3月22日 千葉県白井(しろい)市の3月議会が「終わり」ました

議会がおわった、と書いて思ったのは、採決に参加しない議長をのぞく17人のうち12人の市議に関しては、別の意味でも、つまり議会の質という面でも「終わってるな」と強く感じる白井市議会だったということです。

3月30日(土)と31日(日)は、おしゃべり議会報告会

まさにこの「終わりかけ」ている市議会の様相も含めて、賛成した議案、反対した議案の理由もお話し、みなさんの意見も話してもらう「おしゃべり議会報告会」の準備を開始しています。

議会報告会の日程と、毎月第三土曜日の「無料の生活法律相談」の予定、印西クリーンセンター問題のその後についてのせた『しろいJCP(日本共産党)ニュース25』をつくりました。日程は裏面にあります。以下からご覧ください。

配布し始め、一部は3月最終週に配布される「ちいき新聞」に折り込まれるか、同時に配られます。

裏金問題解明と企業・団体献金禁止の署名用紙もセットなので、ぜひご協力をお願いいたします。

24.3.17JCPニュース25(自民裏金問題署名付)A3表(完成) ←ここをクリックするとニュースをひらけます

24.3.17JCPニュース25(自民裏金問題署名付)A3裏(完成)

 

3月議会で驚いたことのいくつかと、実現したことをあげます。

 

「自民党の政治資金パーティー券をめぐる裏金事件の真相解明」と

「志賀(しか)・柏崎刈羽原発の廃炉を求める意見書」不採択(却下)

この2つの政府への意見書案は、私たち根本・徳本が出し、賛成5人、反対12人で否決されました。

くわしくは、議会報告会や紙の議会報告でお伝えしたいと思います。

また、荒井市議が出した、「ガザ攻撃への即時停戦と、難民支援団体への日本からの支援再開をもとめる決議」も同じく賛成5人、反対12人で否決されました。

荒井市議は、ガザで医療支援をしている国境なき医師団の医師の話まで直接聴き、質問にも完璧に他国の対応も含めて回答したというのに。前議会で荒井市議が出した「ガザ停戦のために政府に外交努力をもとめる意見書」に対して、長谷川市議と久保田市議は、「意見書にするのにはそぐわない。決議にすべき内容」という理由を述べて反対しました。

そこで荒井市議は、そこをゆずってでも、少しでもガザでどんどん死者が増えるなか、日本政府が止めている54億円の支援を再開させるあとおしがしたいと「意見書」ではなく「決議」の形にして提案したのに、長谷川市議は、「決議だから賛成したいが」と言いつつ結局は反対し、久保田市議も「決議にしたのは評価するけれど」と言いつつ、参政党の考えを理由に反対。

命を守る支援再開が、日本ができることのはず。12月議会でもそうでしたが、安全のためのスクールバスには賛成し、世界でいわれもなく殺されている人達のためには「賛成」のボタンひとつ押すだけの行動すらしようとしない12人の白井市議。ほんとうに情けなく、嫌になります。

4年に一度!?市民の陳情がめずらしく通った!

ほかには、今回、市内の民間保育園の職員さんから「白井市と印西や鎌ヶ谷、船橋など隣接する市との地域格差を正す仕組みづくりを」と求める陳情が出て、珍しく全会一致(全員賛成)で採択できたのですが、いつもは、ほとんどの陳情が納得のいかないおかしな理由で不採択(却下)にされてしまいます。

なぜ「珍しく採択」なのかというと、前の4年間、白井市民から10の想いと願いのこめられた陳情が出されましたが、多くの議員はそのすべてに反対し、陳情が通ったのはたった1つだけだったからです。

そして今回、陳情審査でも、ひとつの質問もせず、反対討論すらしないこともある公明党の石井けいこ市議が、いきいきと賛成討論をしたのも、他の陳情では見られない珍しい風景でした。まるで、4年に一度のオリンピックです。

私は、日本共産党市議団として、中川かつとし市議とも根本あつ子市議とも、今まで5年間、市民が出したすべての陳情に賛成しています。白井市議会では、市民の方が出す陳情は、提出者が審査の場に来て受け答えをする形式です。

市民の方は、要望の理由を説明するだけでなく、考え方や、社会の背景、調査の内容など、議員から質問責めにあってもきちんと切り返さなければならないという大変なことに踏み切って出しているのであり、とても強い想いで陳情や請願を出していると思います。ですから私たち日本共産党市議は、内容が問題のあるものでない限りは、できるだけ後押しするための賛成しています。賛成しても、意見書を出す先の市や国が動くとは限らないので、せめて一歩でも進めるための賛成です。

けれど、2019年以降、前期と今期の白井市議の多くは、厳しい質問をいくつもして、何かしらの理由をつけて反対します。

前の4年にたった1つ、市民の陳情が通ったわけ

そんななか、2019年改選した議員がつとめた4年間で、めずらしいことがありました。市民が出した陳情が通ったのです。

保育園入園に関する陳情で、日本共産党市議団は審査で後押しすべき内容だと確認し、いつものように賛成しました。

その審査のあと、他の会派の部屋に私がいると、そこへ入ってきた公明党の石井議員が、他の議員と私にむかって頭をさげ、笑顔で、陳情に賛同してくださりありがとうございましたと言ったのです。

そしてつづけて、同じ会派の斉藤議員が一生懸命だったから、通してあげたかったと言ったのです。つまり、身内が出した陳情だから、応援したということが、その言葉でわかりました。

私は、「陳情の“内容”に賛成したんです」というような返事をしながら、「この人はやっぱり、出した人間を見て賛成か反対か決めているんだ」と確信しました。

2019年から2023年3月まで、公明党の石井けいこ氏・斉藤ともこ氏、植村ひろし氏の3名の市議は、4年間で10出た市民の陳情のうち、自分とつながりのあるその保育園のの陳情以外、9つすべてに反対しました。

そういう珍しいことが、今回もあったということです。自分が関わる陳情以外には、まったく賛成しないという態度。これはその後もつづいています。

請願をめぐって見えた、参政党・久保田えみ市議の人間性

参政党の久保田えみ市議が、自分が紹介議員になって請願した内容に自分で「趣旨採択(気持ちはわかるが何もしない)≒ほぼ反対」したことも、彼女の請願に賛成した5人の市議にとっては驚くべきことでした。

人の誠意を逆手にとった不誠実な話だと思うので、経緯をお伝えします。

久保田市議は事前に、日本共産党の私たちの会派室に説得にきたので、私たちはそこで意見交換しました。久保田市議は、パンデミック条約というものに関係する国連やWHO(世界保健機関)、ワクチンへの不信感や危機感を抱いており、私たちは、根本市議と私とでも考え方はちがうが、とにかく、請願内容である、国民に知らされていないパンデミック条約内容を「1、周知する」「2、国民から意見をあつめる」という2項目については、当然のことだし反対する理由はないと、根本さんと私とでもよく話し合っって決め、3月22日の議会最終日に、この請願に賛成しました。

賛成したのは、私たち日本共産党市議団の根本・徳本と、柴田・小田川・荒井市議の5名でした。

お人よしにもこの5名は全面賛成したのに、なんと請願の紹介議員である久保田市議が、自分で自分の請願を「趣旨採択」した。つまり、市民と共に出した請願に、自分でほぼ反対の態度をとったのです。

※趣旨採択とは…岩倉市議会議会用語集より「請願について、その内容は妥当であるが、実現性において困難だと判断した場合に、不採択とすることもできないとしてとられる請願の意思決定の方法」

その背景として、久保田市議は、請願した2項目のうち、自民党の古澤由紀子市議が賛同できないと言った「国民から意見を集める」1項目を削った意見書案を提案したのですが、そのことについては、事前に請願者の市民の同意も取っていると議場で回答しました。そうであっても、自分としては請願で「1、周知」と「2、意見集約」の2項目を請願したのには理由も想いもあるはずだから、原案には賛成するのが当たり前です。

それなのに、ほぼ反対した直後、彼女は、趣旨採択がほぼ反対を意味するなんて「知らなかった!」とおどろいてみせたのです。新人議員だから、もし初めて「趣旨採択」の言葉を聞いたなら、そう思うのも無理はありません。けれど彼女は、2月中に総務常任委員が請願を審査する場に説明員として出席し、「趣旨採択」の結果も理由も聴いているのです。

さらに、最終日に採決する直前にも、私は彼女もいる議場で、趣旨採択とは「要望する気持ちがわかるが、何もしません」という態度で、実質的には反対と変わらないのだと発言しましたので、その意味を知らないはずがない。自分が出した請願の結果を理解できていないなんて、私は信じていません。却下されたとわかっているからこそ、古澤市議のお眼鏡にかなわなかった1項目を削った意見書案を、再び出したのです。それが「趣旨採択」の意味を正しく理解している証拠です。

市民との約束である「公約」までくつがえした久保田市議

久保田えみ市議は、私たち日本共産党と同じく、「給食無償化」と「高い国保税の値下げ」を公約のなかに入れて2023年の市議選挙に初めて出て当選しました。そしてその年のうちに、その公約はまちがっていたと自分のチラシで撤回。理由は「給食を無料にすると質が落ちるから」「国保税は現状維持をめざせばいいから」。質をおとさず無償化をめざすのが大事なのであって、それを理由にするなんて、本当に無償化をめざしていたのか?と思ってしまいますし、値下げの公約撤回も、高すぎて払えないという市民や、この公約を信じて投票した市民をどう考えているんだろうと思います。

私たち日本共産党は、日本国憲法に「義務教育は無償」と書いてあり、「食育は教育の一環」でもあるという考えから、質のいい有機栽培や国内、地元産の食材で無償にすることをめざしつづけますし、国保の値下げも、都道府県知事会が1兆円の公費を投入して値下げをと国に求めているように、国の責任で値下げさせることをあきらめません。軍事費に5年で43兆円も投入して、まだ拡大させようと軍需産業がもとめているなか、できない理由はないです。

久保田市議が、いま思えば元々、選挙で市民にした約束さえもくつがえす人だったのだとわかります。けれど、私たちは会派室に一生懸命説明に来た彼女を信用し、賛同しようと決めました。そのとき彼女は、私たちが持ち掛けたのではなく、“自分から”、私たちが出した裏金事件解明の意見書については「自分もそう思う」と言ったのです。そのあと「(自分の)党がどう考えるか…」とにごしていましたが、ともかく自ら、自分は裏金事件解明の意見書には賛同する可能性がある、と匂わせたのです。

私たちは、久保田市議がその発言のあとにどういう態度を取るかが、彼女を今後信用できるかを計(はか)る基準になると思って見ていました。そして、彼女は見事に、私たちには自分の請願に賛同させ、私たちの意見書案にはすべて反対しました。反対理由も述べずに。

賛否(賛成か反対か)をどうするかは、とうぜん自由です。けれど、自分から請願に賛同してと説得に来て賛同させておいて、自分は「ほぼ反対」し、さらに、自分に賛成した人が出した意見書に「理解を示した上で、理由も述べずに反対する」というのは、自分自身の請願への信念もなく、人への敬意の欠片(かけら)もない、ひどい態度だと思います。

議会終了後、私は久保田さんに心底あきれて、笑顔で「裏切ったね」とだけ言って通りすぎました。

私が去った直後、彼女は根本市議に「グレー(灰色)です」と言ったそうです。いやいや、人に賛成してと頼んでおいて、自分は自分の案を一部でも通すために自民党議員と話を進めておきながら、そのことを一切(いっさい)私たちには伝えずに賛成させて、自分で自分の請願を趣旨採択(ほぼ反対)するなんて、確信犯、真っ黒ですよ。請願内容は一部政府に出せるかもしれないけれど、人を利用した上に反省もしない態度を見て、私たちは彼女を、信用できない人だと判断しました。

また議会最終日のことがよみがえり、たくさん書いてしまいました。

他には、いいこともありました。

「自転車ヘルメット購入への助成金」「帯状疱疹ワクチン助成」が実現

私たちが国の交付金を使って行うべきと提案していた、「自転車ヘルメット購入への助成金」と、根本市議も一般質問で要望した「帯状疱疹ワクチンへの助成」が予算に入り、実現します。

いいこと悪いこと、議会の様子、議会の見どころも市民のみなさんにお伝えするため、議会が終わった翌日から、根本あつ子市議といっしょに議会報告作りに取りかかっています。そのため、題名の3つの意見書や決議案については、その報告の完成を待っていただけるとありがたいです。

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